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6月12日20時3分配信 ロイター


 [東京 12日 ロイター] 日本のヘッジファンド業界のすそ野が広がりつつある。これまでは投資顧問会社出身のファンドマネージャーが主流だったが、大手ヘッジファンドから独立するケースや経営コンサルタントからアクティビストファンドに転じるケースも出ており、業界に厚みが出てきた。戦略別では、日本のヘッジファンドの主流である「日本株ロングショート」が成績不振で苦しむ一方、「イベントドリブンやM&A関連のフレンドリー・アクティビストのタイプに多くの資金が配分されている」(GCIアセットマネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネージャー、白川裕子氏)という。
 東京で12日まで開催されたヘッジファンド・インベストメント・ジャパンIQ2007でヘッジファンドに詳しい業界関係者がパネルディスカッションで語った内容から、日本の業界動向や将来像が浮かび上がってきた。
 <運用側と投資側の両方ですそ野が拡大>
 ヘッジファンド投資のコンサルタントを行うアルボーン・パートナーズ投資顧問の原勝哉・代表取締役によると、10年以上前にタワー投資顧問などがスタートした際には、会社の立ち上げやシードマネーの獲得など全て自前でやる必要があったという。だが、ここ数年の間にプラットフォームの提供やシードマネーの獲得などファンドの立ち上げを支援するサービスプロバイダーが増加。証券、保険会社や商社などから様々な分野から参入し、運用者が運用に集中できる環境が整いつつあるという。
 運用側の別の変化としては「ひと昔前までは英語が上手なマネージャーが多かったが、最近は英語がしゃべれない人も増えてきて若手の裾野が広がっている」(原氏)。
 日本の投資家側にも、わずかながら変化が起きている。「銀行に代表される機関投資家や投信を経由した個人マネーのほかに、大学基金などが投資を始めており、ヘッジファンドにプラスの動きが出ている」(原氏)との指摘もある。
 <多様化するヘッジファンド戦略>
 他方で、運用難や資産の流出に苦しむマネージャーも多い。実際、「2005年に人気だった小型株ロング・大型株ショートのストラテジーは鳴りを潜めている」(GCI・白川氏)という


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